IOTとは、Internet of Thingsの略で「モノのインターネット」などと言われる。本来のコンセプトは、機械同士がネットワークでつながる①※M2Mの考え方から来ている。世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、あらゆるモノがインターネットにつながるまさにイノベーション(技術革新)である。例えば、橋や建物などの公共建築物にセンサを取り付け、強度を常に把握することで、適切なメンテナンスができ事故を未然に防ぐシステムとしての活用。自動車の位置情報をリアルタイムに集約して渋滞情報を配信するシステムとしての活用。人間の検針員に代わって電力メーターが電力会社と通信して電力使用量を申告する②※スマートメーターとしてのシステム活用。交換が必要な部品などを製造元がリアルタイムに把握できるシステムとしての活用など。 最近では、スポーツ選手(人間)そのものに通信機能を持たせることで、疲労度や戦術の理解度などを測るといった事例も既に出ていて、これらを④※ビックデータ化して更なる⑤※人工知能(AI)の進展に大きく活用できる。これまでネットワークとは無縁だったものが対象になるため、今後市場規模が爆発的に大きくなると言われている。
①※M2Mとは、Machine to Machineの略で、モノとモノがインターネットでつながることを意味する。インターネットのつながりについて、従来は人と人、人とモノという連携が多かったが、今後はモノとモノのつながりが飛躍的に多くなると言われる。公共建築物の老朽化を建築物から送られるセンサデータで常時把握したり、自動車を1つのデバイスと捉え、そこから送られるデータを渋滞緩和や天気予報、マーケティングでデータとして生かすなどの取り組みが想定されている。具体的な例としては、工場内での工作機械の集中制御や、自動販売機の在庫状況の遠隔監視、様々な建物に設置されたエレベーターの稼働状況の監視、実際の自動車の走行状況を集約したリアルタイムの渋滞情報、発電所や家庭の配電盤などにセンサーやコンピュータを導入してきめ細かな電力使用料の監視や供給制御を行なう③※スマートグリットなどが挙げられる。